【EAP】Zendeskのエンティティ検出機能を使って、チケット内の特定単語を検知できるようにしてみた
こんにちは、業務効率化ソリューション部の入井です。
今回は、2024年11月現在ZendeskでEAP(早期アクセス)として提供されているエンティティ検出機能について書いていきます。
エンティティ検出機能とは
あらかじめ設定した特定の単語の存在について、チケットコメントやメッセージング会話の中から検出することが可能になる機能です。
例えば、サポート対象の製品の名前として「商品A」「商品B」「商品C」とあった時、あらかじめこれらの商品名を検出対象として設定しておくと、エンドユーザーからの問い合わせテキスト内にこれらの商品名が含まれていたとき、AIが自動検出してその結果を専用のフィールドに保存してくれます。検出結果を元にチケットルーティング等の処理を自動実行させることで、業務効率化に役立つと言われています。
この機能は現在EAPで誰でも使用できるように公開されており、正式実装後はAdvanced AIアドオンを導入中のアカウントでのみ使用できるようになります。
実際に使ってみた
カスタムフィールドの作成
エンティティ検出機能を使用する場合、まずは管理センターで『予測を追加』する必要があります。予測の設定は、インテリジェントトリアージ設定画面にあります。問い合わせ内容から目的、言語、感情を検出するインテリジェントトリアージと、このエンティティ検出は機能的に類似しているためか、同じ画面で設定を行う形になっています。
なお、Zendeskではインテリジェントトリアージに使う予測設定を分類子、エンティティ検出に使う予測設定を抽出子という名前で区別しています。
今回は、Platformという予測名でゲーム機の種類を予測する設定を作成してみました。
予測を追加すると、それと同じ名前と値を持ったカスタムフィールドが自動作成されます。各値には専用のフォーマットでタグが自動的に設定されます。現在、カスタムフィールドのタイプはドロップダウンのみ設定可能ですが、今後のアップデートで他のタイプも使用できるようになると思われます。
なお、予測の編集画面では以下のようにフィールドをどのタイミングで自動更新するか、エンティティ検出時にその部分をハイライト表示するか等を設定可能です。
問い合わせからの単語検知
実際に問い合わせを送信し、単語を検知させた結果が以下の画像です。あらかじめ設定した『Platform』予測が作動し、問い合わせテキスト内の『Switch』という単語がハイライト表示されています。
また、フォームの『Platform』フィールドで『Switch』が自動的に選択されています。これにより、フィールドの値を条件にしてトリガで何らかの自動処理に繋げることが可能です。
なお、この画像ではPlatformフィールドをフォームに紐付けていますが、フィールドがフォーム内に入っていなくても単語のハイライト表示自体は作動する仕様になっています。
最新のコメントに基づいてフィールド自動更新
予測設定画面では、以下の画像のようにカスタムフィールドの更新をどのメッセージを元に行うか指定することができるようになっています。
『すべてのメッセージ内の値』などを指定すると、一番最初の問い合わせテキストの内容を元にフィールドの値が自動更新されても、その後のメッセージ内容を元にさらに更新がかかるようになります。エンドユーザーから追加コメントで情報の訂正があったときなどに使用できそうです。
以下の画像では、最初は『PlayStation5』がセットされていたのですが、その後のコメントを元に『Switch』に訂正されています。
注意点
2024年11月現在EAP中ということもあってか、以下のケースで上手く動作しませんでした。恐らく、今後のアップデートで改善していくと思われます。
- 日本語の問い合わせでは検出機能が作動しない
- 恐らく英語のみ対応
- 問い合わせテキストが長文だと作動しない
まとめ
この記事では以下のような内容を紹介しました。
- 「エンティティ検出」は特定単語を自動検出してくれる機能。
- 現在はEAP(早期アクセス)として誰でも利用可能。正式公開時はAdvanced AIアドオンの利用が必要。
- 2024年11月現在、一部機能が上手く動作しない。
- 単語検出により、ハイライト表示や自動フィールド更新が可能。
- トリガとの連携によりチケットルーティング等に役立てられそう。