ZendeskのAdvanced AIでチケットの内容から適切な担当者に自動割り当てする
こんにちは、業務効率化ソリューション部の入井です。
今回の記事では、Zendeskの拡張アドオン『Advanced AI』で使用可能なAI機能によって、顧客からの問い合わせ内容に応じて適切なエージェントへチケットを自動割り当てできるようにしてみます。
Advanced AIのインテリジェントトリアージについて
冒頭でも記載しましたが、『Advanced AI』はZendeskのアドオンであり、導入することで様々なAI関係の機能を利用できるようになります。
どんな機能があるかについては以前こちらの記事で簡単にまとめましたが、最近のアップデートでも新しい機能が次々とリリースされており、今Zendesk社がかなり力を入れている機能です。
インテリジェントトリアージはAdvanced AIに含まれる機能の1つで、ユーザーの問い合わせ内容をAIが分析し、その結果を元にチケットにタグのようなものが自動付与される機能となっています。
イメージとしては以下のような形です。
なお、インテリジェントトリアージについては、以前こちらの記事でも解説をしました。
上記の記事でも書いたとおり、インテリジェントトリアージの分析結果はトリガ・自動化に連携させることができるようになっています。
今回は、この機能を使ってチケットの担当者自動割り当てをできるようにしてみます。
担当者自動割り当てを試してみる
『パソコンの電源が入らない』という問い合わせ内容でチケットが作成されたら、特定のエージェントを担当者として自動割り当てする仕組みを作ってみます。
トリガの事前設定
インテリジェントトリアージを使った自動割り当ての仕組みを作るには、トリガの設定が必要となります。
事前に確認をしたところ、『パソコンの電源が入らない』という問い合わせがあった際、インテリジェントトリアージはそのチケットの目的として『デバイスの電源が入らない』というタグを割り当てることが分かりました。
目的の分析結果は、チケットのIntentフィールドに格納されます。そのため、トリガでIntentフィールドの値が『Hardware::Device::Device not powering on(デバイスの電源が入らない)』の時という条件を設定すれば、『パソコンの電源が入らない』という問い合わせがあったときに任意のアクションを自動的に実行できる形になります。
(トリガ条件設定のIntentフィールドの値は翻訳されていないため、英語で指定する必要があります。)
今回は担当者の自動割り当てを実現したいため、アクションとしてはチケット担当者を特定エージェント(私)に設定する内容にしました。
実行結果
トリガの設定が完了したため、早速動作を試してみます。
リクエストフォームに以下の内容の問い合わせを入力し、送信します。
作成直後のチケットの状態は以下の画像のようになっていました。
トリガのアクションで設定したように、『パソコンの電源が入らない』という目的だった場合、担当者エージェントとして『入井 啓太』(私)が自動的に割り当てられました。
まとめ
この記事では以下のような内容について書きました。
- Zendeskの拡張アドオンAdvanced AIのインテリジェントトリアージ機能を使用すると、AIが問い合わせ内容を分析し、自動的にタグを付与する
- この分析結果をトリガや自動化と連携させることで、問い合わせ内容に応じたチケットの自動割り当てが可能になる
- 実際に「パソコンの電源が入らない」という問い合わせに対して、特定のエージェントを自動割り当てする仕組みを作成し、正常に動作することを確認した
今回紹介した設定を応用することで、例えば特定の言語で書かれた問い合わせに対し、その言語の読み書きができるエージェントを自動割り当てする、といったこともできます。
また、トリガのアクションでできることは多いため、担当者の割り当て以外にも様々な業務効率化が可能です。
普段の業務の中で、こういったAI機能を活用することで効率化できる部分がないか検討してみると良いでしょう。