Material for MkdocsにCustomizationを使ってサイト分析ツールを導入してみた

Material for MkdocsにCustomizationを使ってサイト分析ツールを導入してみた

Clock Icon2023.10.30

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こんにちは。たかやまです。

Material for MkdocsではSite Analytics(サイト分析ツール)を導入することができます。

Google AnalyticsはMaterial for Mkdocsのテーマでネイティブにサポートされており簡単に導入することができます。

extra:
  analytics:
    provider: google
    property: G-XXXXXXXXXX

Setting up site analytics - Material for MkDocs

一方で、Google Analytics以外のサイト分析ツールを導入する場合は、Material for MkdocsのCustomizationを利用して導入する必要があります。

今回は、Material for MkdocsのCustomizationを利用してJavaScriptのトラッキングコードを提供するようなマーケティングオートメーションツールを導入する方法を紹介します。

さきにまとめ

CustomizationのOverriding blocksを利用し、libsまたはscriptsブロックを利用してトラッキングコードを導入する

Overriding blocks - Material for MkDocs

やってみる

検証環境

以下の手順に沿って環境を用意します。

# (必要に応じて)仮想環境作成
python3 -m venv .venv && source .venv/bin/activat

# Material for Mkdocs環境作成
pip3 install mkdocs-material
mkdocs new .
echo -e "\ntheme:\n  name: material" >> mkdocs.yml
mkdocs serve

mkdocs serveを実行するとlocalhost:8000でサイトが表示されます。

ブロックカスタマイズ

検証環境作成段階でのディレクトリ構成は以下のようになっています。

.
├─ docs/
│  └─ index.md
└─ mkdocs.yml

ここからブロックカスタマイズの設定を行っていきます。
サポートされているブロックは以下の通りです。

ブロック名 目的
analytics Google Analytics統合をラップします
announce アナウンスバーをラップします
config JavaScript アプリケーション構成をラップします
container メインコンテンツコンテナをラップします
content メインコンテンツをラップします
extrahead カスタムメタタグを追加するための空のブロック
fonts フォント定義をラップします
footer フッターをナビゲーションと著作権で囲みます
header 固定ヘッダーバーをラップします
hero ヒーロー ティーザーをラップします (利用可能な場合)
htmltitle <title>タグをラップします
libs JavaScript ライブラリ (ヘッダー) をラップします
outdated バージョン警告をラップします
scripts JavaScript アプリケーションをラップします (フッター)
site_meta ドキュメントのヘッダーでメタタグをラップします
site_nav サイトのナビゲーションと目次をラップします
styles スタイルシートをラップします(追加のソースも)
tabs タブナビゲーションをラップします(利用可能な場合)

Customization - Material for MkDocs

トラッキングコードは多くは<head>内か</body>付近に設定することになると思います。

JavaScriptのトラッキングコードを<head>内に導入する場合にはlibsブロック、</body>付近に導入する場合にはscriptsブロックを利用して設定していきます。

では、実際に設定するための定義ファイルを作成していきます。
ブロックカスタマイズを定義するためのファイルはoverrridesディレクトリを作成し、main.htmlとして配置します。

.
├─ docs/
│  └─ index.md
├── overrides/
│   └──main.html 
└─ mkdocs.yml

main.htmlにはカスタマイズしたいブロックを{% block xxx %}}形式で指定します。

完全にコンテンツを上書きするのではなく、元のコンテンツを継承する場合には{{ super() }}を記載するのを忘れないようにしてください。

また、{{ super() }}前後によるコードの挿入位置によって、実際のコードの挿入位置も変わってくるのでユースケースに合わせて設定してください。

{% extends "base.html" %}
{% block libs %}
  <!-- 元のコンテンツより前に実行したいコード -->
  {{ super() }}
  <!-- 元のコンテンツより後に実行したいコード -->
{% endblock %}
{% extends "base.html" %}
{% block scripts %}
  <!-- 元のコンテンツより前に実行したいコード -->
  {{ super() }}
  <!-- 元のコンテンツより後に実行したいコード -->
{% endblock %}

サンプルとしてconsole.log("Hello World!");を出力するようなJavaScriptのコードを定義したファイルは以下のようになります。
※ここではlibsブロックとscriptsブロックの両方にコードを設定しています。

{% extends "base.html" %}
{% block libs %}
  <script>
    console.log("Hello World!");
  </script>
  {{ super() }}
{% endblock %}

{% block scripts %}
  {{ super() }}
  <script>
    console.log("Hello World!");
  </script>
{% endblock %}

main.htmlを作成したら、カスタマイズ機能を有効にするためにmkdocs.ymlに以下の設定を追加します。

site_name: My Docs

theme:
  name: material
  custom_dir: overrides

動作確認

カスタマイズができたら、mkdocs serveを実行して動作確認を行います。

<head><body>内にJavaScriptのトラッキングコードが設定されていることを確認します。
ブラウザの開発者モード等で想定箇所にコードが設定されていればOKです!

後はお使いのマーケティングオートメーションツールでちゃんと情報が取得されているか確認いただければと思います。

最後に

今回はMaterial for MkdocsのCustomizationを使ってサイト分析ツールを導入する方法を紹介しました。

テーマでネイティブにサポートされていない機能についても、カスタマイズ機能を利用することで実現することができます。

こちらの記事が同様の悩みを持っている方への助けになれば幸いです。

以上、たかやま(@nyan_kotaroo)でした。

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