【参加レポート】カスタマーサクセス カンファレンス -BRIDGE 2020- へ参加しました! DAY1 #CSカレッジ
今回は、日本最大級のカスタマーサクセスカンファレンスである BRIDGE 2020 へ参加レポートとなります!
開催概要
近年、国内外で大きな盛り上がりを見せる"カスタマーサクセス"。
事業成長に貢献する経営的重要性から多くの企業が様々な取り組みを始めています。
その中で生まれた知見や成功事例を学び合える場として、カスタマーサクセスに携わる 全ての方の成功の一助になるべく、カンファレンスの開催に至りました。
- 【Day0】 2020/11/08 19:00 - 21:00
- 【Day1】 2020/11/09 12:15 - 20:15 ◀︎◀︎◀︎ 本記事はこちらのレポートとなります。
- 【Day2】 2020/11/10 12:15 - 20:15
【基調講演】カスタマーサクセスの経営的重要性と今後のあるべき姿
登壇者
- CSカレッジ 代表 / 株式会社ABEJA 丸田 絃心 氏
- 株式会社アペルザ 田中 大介 氏
- 株式会社 SmartHR 宮田 昇始 氏
- Repro株式会社 平田 祐介 氏
- 株式会社メルカリ 田面木 宏尚 氏
- 株式会社日立製作所 渡辺 薫 氏
カスタマーサクセスとは経営である
カスタマーサクセスの経営的重要性
- カスタマーサクセスの役割とはWhy×Howである
- CS は職種であり、組織であり、理念である
- 自部署・プロダクトに閉じた存在ではない
- 経営としての CS への昇華
- How だけでは不足しており、Why が重要となる
- 顧客の成功だけではなく、自社の成功もすることが重要、その架け橋となるのが CS
- Why to CS で他部署へ伝播していく
- 今後のあるべき姿
- 顧客の成功を科学する
- サクセスメカニズムの解明と自動化
- 成功の再現性が重要(自社のサービスを利用することでお客様が成功する)
- 自社の成功へ還元する
- 自社の LTV 向上に繋げる設計
- Win-Win を理想する設計
- 全社にCSを広げる
- 他部署連携と組織文化改革
- 顧客の成功を科学する
Repro 様 事例
- 顧客は、ベンダー側の提供するサービスが欲しくて、お金を払っているのではなく、そのサービスを使って課題を解決したい
- 環境整備するだけではなく、マーケティング課題を解決するために、伴走する
- CS によりチャーン(解約)を防止することで、 LTV が向上して、株価を最大化・経営判断の幅を広げる
- CS には、今後の経営と同じビジョンを持ち、実現するために取り組んでもらっている
- CS はアメリカ生まれで、ビジネスライク過ぎて、顧客がサクセスしていない気がする。海外とのコンペで勝てるのは CS 部分。
- 日本版の CS がこれから必要とされてくる
- 顧客満足度からの視点による新しいメトリクス(指標)が登場する
SmartHR 様 事例
- CS を始めようと考えたのは、まだまだ海外の文献しかない無いような時期から
- 会社経営にも重要
- チャーンレートやLTV、アップセルがあるからこそ、経営施策に選択肢が広がる
- CS の役割
- プロダクト開発でも重要
- お客様の生の声を知らせてくれる
- 今後の課題
- エンプラへの挑戦
- まだプロダクトが追いついてない状況
- 地域・地方の広がり
- 各拠点にCSを積極的に採用
- プロダクト拡充
- 1人のCSM で ARR(Annual Recurring Revenue) 1億円 がスタンダード
- エンプラへの挑戦
メルカリ様 事例
- 以前はカスタマーサービスの責任者(日米それぞれ)
- その時から、顧客の声を大事にしている
- VoC(Voice of the Customer)ミーティング(週次で、多い声などを共有し、経営判断にも活用)
- VoC 新聞
- VoC カフェ
- メルカリ 文化祭、オンライン(顧客から直接社長に質問してもらうコーナーもある)
- 事業成長に寄与する
- 物に満足するのと、心で満足するサービスは異なる
- 心で満足するサービスは口コミも増え、継続もされていく
アペルザ 様 事例
- 業種柄潜在的な顧客が限られているため、価値を高めることを重視している
- 高い価値を提供することで、お客様の紹介などをいただく
- 立ち上げ期は ハイタッチ だったが、現在は拡大期へ移行し、価値を最大化
- CS は経営そのものであり、事業責任者への1つの登竜門
- ① 顧客を深く知り、プロダクトをマーケットニーズに合わせて進化させていく
- ② プロダクト、マーケティング、セールスやコーポレートなどほぼ全ての部門と協業しながら事業を成功の軌道に載せる
- ③ 人を採用し、育成し、マネジメントしていく
- ④ 型のない業務を他の人ができるように仕組み化をする
- ⑤ これらを事業戦略(6ヶ月後、1年後の絵姿)を理科しながら遂行する
- 事業を作ってくれる仲間を求めている
日立製作所 様 事例
- 製造業にとっての CS とは?
- アウトカム型企業への転換
- プロダクト販売型からの変換が求められている
- 素晴らしい CX が必要とされる
- これらは CS の考え方と一緒
- 既存の伝統的な企業でも使われている言葉は異なるが意味としては同じものをメッセージとして出している
- プロダクトのソフトウェア化
- 顧客のプロダクト利用状況をデータとして取得が可能
- 遠隔から製品アップデートが可能
- SaaS と同じような形態でのプロダクト提供が可能
- DX
- 単なる付加価値の提供ではなく、事業のトランスフォーメーション(変革)が必要
まとめ
- CS が得た VoC をプロダクト(優れたCX)や組織文化(カスタマーセントリック)へ反映する
- 顧客が心で満足するレベルへと昇華し、口コミや 継続率 に良い影響をもたらせる
- ビジネス成長へつながり、株価という結果につながる
経営陣と伴走し結果を残すカスタマーサクセス戦略設計 ~顧客志向偏重からの脱却~
登壇者
- 株式会社ビービット 礒野 亘 氏
- コミューン株式会社 岩熊 勇斗 氏
カスタマーサクセスを始めるにあたり “サクセス“という切り口とどう向き合うのか?
- カスタマーと伴走する(フォーカスする)イメージが強いが、自社事業の成功するための手段であることを忘れてはいけない
- 顧客が成功する(手段)ことで、自社事業が成功する(目的)関係
- でも、難しいよね…
- 両者の関係は必ずしもスムーズではない。その溝を認識し、埋めることが必要
- 具体的な溝とは?
- 活用すればするほど使い続けたくなるプロダクトではない
- 成功したら、解約されてしまう…
- もっと使いたい、もっと使う余地がある製品ラインナップ
- コアニーズは満たすが物足りない
- 価値に応じて支払う金額が上昇しない
- 特定顧客に偏る
- 活用すればするほど使い続けたくなるプロダクトではない
- 溝を解消して、事業を成功させるのがカスタマーサクセス
- どんな時に溝に気づくのか?きっかけや注意点はありますか?
- お客様の視点・気持ちになった時に、そのサービスを利用することで本当に業務が変えることができるのか? 顧客への価値を意識した視点で見ることが大事
- 既存事業部門と CS で重複する役割が出てしまうので、CS が何をするのかを明確にすることが重要
- CS がどうあるべきかではなく、事業としてどうしたいのかの視点が重要
- 顧客にどうなって欲しいのか(ToBe)、どういった価値が提供できるのか
- 他部署(インサイドセールス)から見た CS とは?
- 事例を作って欲しい
- 大規模な事例ではなくとも、成功・課題解決した事例を共有して欲しい
- お客様と接点がある時、自社での実績を紹介出来るのは強い武器となる
- 大規模な事例ではなくとも、成功・課題解決した事例を共有して欲しい
- 今まで解決できなかった事例があると助かる(市場拡大)
- 今までは対応が難しかった分野やターゲットに対しての事例があると助かる
- CS へもっと事例を求めても良い
- きちんとした事例になるまで抱えているケースがあるので、もっと荒い状態でもいいから気軽に共有することも大切
- DAY0 前夜祭の Slack 部屋 「CSいい話チャンネル」
- 事例を作って欲しい
サクセスを創る上で、現状をどう分析しどこから着手するか?
- 2軸を同時に追求することが大切
- 溝を埋めること
- 気づければ発生していて、放置すると深くなっていく
- 埋めることはパワーが必要
- 今追うべき正しい指標を追うこと
- 多くのメトリクスから、フェーズやサービスタイプから必要なメトリクスを設定し、追いかけることが必要
- 溝を埋める方法を検討する、決める時にどうやっていますか?
- 正解はなく、海外大手も頻繁にメッセージを変更している
- あらゆるタッチポイントの中で、プロダクトが最も多いタッチポイントであり重要視すべき
- 最終的には事業視点での判断をする
- 変化し続けることが正常で、反対にずっと変化がない状態の方が異常(リスク)が内在していると考えた方が良い
- 溝を埋めること
- CS の3つの役割
- ① 既存顧客からの収益最大化
- ① が成功しないと ②や③でも説得力がない
- ② プロダクトへのフィードバック
- ③ セールスの貢献
- ① 既存顧客からの収益最大化
- ① 既存顧客からの収益最大化
- 1) サクセス方法論なき型化・効率化は無意味
- 自社プロダクトを利用して、どうすればお客様が成功するのかを明確にする
- 2) 支援の型化
- 3) 運用拡大効率化
- 1) サクセス方法論なき型化・効率化は無意味
具体的なDOとして何をやっているのか?
- 溝を埋める
- 経営陣+マーケ+営業+CS で カスタマージャーニーマップ合宿
- サクセスする方法論の明文化・共通言語化
- 一度、実施したら完了ではなく、ある程度したら再度実施する
- 個々人の経験や感覚の違いを共通言語として最終的にまとめるのは難しかったのでは?
- ある程度ペルソナでターゲットを限定した上で実施した
- お互いに違いや気付きがあったのがとても良い点
- サクセスする方法論の明文化・共通言語化
- プロダクトメッセージの変更
- プライシングの再検討
- 経営陣+マーケ+営業+CS で カスタマージャーニーマップ合宿
- 正しい指標を追う
- 支援アクション型化に向けたドキュメント整備
- リニューアルマネジメントのためのヘルススコア設計
- ① 既存顧客からの収益最大化のアクション
- サクセス方法論確立
- 時間が必要
- 支援の型化
- 形骸化しないように常にアップデートして、担当者が社内に伝える
- 運用拡大効率化
- サクセス方法論確立
- ③ セールス貢献のアクション
- 成功企業分析(CS)
- セールス・ストーリーの納品数と売上を KPI に
- アウトプットレベルとしては、社内的に必要なレベル感
- 最終的にはホワイトペーパーとして提供できるものに、検証・ブラッシュアップしていく
- 共通課題とバリュー定義(CS & FS)
- マーケティングシナリオへ展開(CS & FS & マーケ)
- 成功企業分析(CS)
エンプラ顧客の組織変革に伴走するCSの組織づくりとハイタッチの極意
登壇者
- ベルフェイス株式会社 西嶋 賢介 氏
- Repro株式会社 山中 啓奨 氏
- 株式会社PR Table 久保 圭太 氏
エンプラ/ PS 立ち上げの背景と課題
- プロダクトターゲットがスタートアップからエンプラにも広がってきた中で、必要なフォローで異なる面が出てきた
- 既存エンプラでは対応しきれないターゲット層への対応するために設立された(Account Plannar)
- 現場と採決キーマンが異なるケースが散見された
- NRR(Net Revenue Retention) が課題(SMB と エンプラ で大差がなかった)
- 半年ほど検証を行い効果が見込まれたため、エンプラチームが発足
- キーマンとなり得る方をピックアップして、手紙を送るなどのハイタッチを実施して効果を測った(レター施策)
- 中計を確認した上で、自社プロダクトを利用して改善できる内容を記載する
- 送付する方の職歴や外部で発表している資料などから、自社プロダクトとのフィットを事前に確認している
- 既存顧客の中のステークホルダー関係を精査した上で、キーマンを定めている
ハイタッチ手法の成功・失敗
- 計画がないままに CS 活動を行い、場当たり的な対応に終始してしまった
- CS と セールスの役割が混同し、最適な活動が出来なくなってしまった
- CS は顧客のチームメンバーとして位置付け
- その中で、セールスも兼任したことで、当初の位置付けから相反し矛盾する形となってしまった
理想の組織づくりと人材育成
- CS とセールスではスキルセットが異なる
- 以前は CS 経験者を採用していたが、今は未経験者を採用している
- クライアントワーク、コミュニーションなどのベーススキルを重視した
- コンサルタントは運用スキルは十分だったが、アカウントマネジメントスキルが不足していた
- 採用においてフィルタを設けている
- 法人営業など実績を重視している
- 戦略を立てることが出来るかが重要
- 小さいな成功を大きく広げられる人材を採用している
わが社が取り組むエンプラ顧客攻略法
- CSM(CustomerSuccessManager)は現場課題を解決、AP(AccountPlannar )はキーマンの課題を解決する
- 定期的に、顧客キーマンと AP 、CS 責任者でビジネスレビューを行い、顧客課題を明確にする
- 事前に CSM に課題感や状況を確認し、レビュー後には CSM にも共有を行う
今後の理想
- エンプラは要求が高い(サポートもプロダクトも)が、その要求に答えることで品質の向上が見込まれるので、上手にフィードバックループと実施する
- SMB とはまた異なる視点でのフィードバックループが出来る
- エンプラ声を広い、プロダクトへ反映する
- チャンピオンを探しアプローチをする
顧客の複雑な業務プロセスを体系化する手法 ~PRePモデル~
登壇者
- 株式会社日立製作所 八木 将計 氏
-
現状:既にサービスやプロダクトはある
- 基本的にプロダクトアウト
- 顧客理解がされていない
- PReP モデル を活用
- 業務プロセスを形式化する
- 既存顧客に協力いただいて CS としてモデリングを実施して結果以下のフィードバックをもらった
- 課題解決ポイントがクリアになった
- CS チーム全体の顧客理解度や課題の解像度を高めることができた
- タスク視点
- モデリングはしやすい
- 複雑な業務では課題が見えづらい
- 成果物視点(PRePモデルはこちら)
- モデルがコンパクトでわかりやすい
- 扱うにはコツが必要
- 書き方
- 成果物には「これがないと業務ができないもの」を書きます
- 「実態のあるもの」「実態のないもの」が存在します
- 状態と属性を持たせる
- 入出力と同期関係を記述します
- 記載例
- 基本型
- ノウハウ型
- 同期型
- カスタマー作成を実現する上で業務モデリングが非常に有効なのではないかと思います。
CSを加速させビジネスに貢献するコミュニティの育て方
登壇者
- Still Day One 合同会社 小島 英揮 氏
- 株式会社メルカリ 上村 一斗 氏
- メルカリ文化祭
- ファーストピンとして、会社の文化にフィットする方を見つけるのが大事
- メルカリにとって、CSとは何か?
- 出品数や利用者を増やすという会社のミッションもあった
- コミュニティを育成する中で、声を拾うこととミッションで相反する部分もあった
- HowTo をコミュニティを通じて伝えていった
- 成長する
- リーダー:サクセスした顧客
- フォロワー:サクセスしたい顧客
- ベンダーからは機能の訴求は出来る可能だが、実際のファンクションを伝えるのは難しい
- コミュニティ x CS
- なぜ使うか?(Why)を伝える
- どう使うか?(How)を伝える
- ハイタッチ(ヒューマンタッチ)は伴走しやすいが、限界がある
- ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチのジレンマをコミュニティタッチで改善
- 信頼できる人の声は響きやすい
- ネガの溶解, ポジの拡大
- メルカリにとって、コミュニティは How を伝えるもの? Why を伝えるもの?
- コミュニティへ参画してくれる時に「あなたにとってメルカリとは?(Why)」と伺う
- ブランドサポーター
- 明確な方は、周りの方にも伝えわりやすい
- How が先行するとブランドサポーターとの良い関係構築にならない
Why を伝えるためにやっていることは?
- メルカリオンラインフェス
- 社長に物申すコーナー(事前に調整あり)
- 現場サポートでは回答しづらいような内容にも回答する
- 企業の当たり前をきちんとお伝えすることで、よりお互いの理解・関係が深まる
- みんなのメルカリ生活
- 利用者からの要望
- 社内 MTG にブランドサポーターをご招待して参加してもらう
- 社員のモチベーションが向上する
評価軸、数値は?
- 現在:満足度、イベント回数・人数などの数字に注力
- 今後:ブランドリフト効果(コミュニティに触れた方と触れていない方の差異を測る)
今後のコミュニティ戦略は?
- メルカリサロンのリニューアルを進めていて、多様な方と出会えるようなプログラムに昇華させれるように検討している
先駆者が語る成功するヘルススコア、失敗するヘルススコア
登壇者
- Sansan株式会社 山田 ひさのり 氏
- 株式会社ビズリーチ ミヤ アンジェリン 氏
- HiCustomer株式会社 高橋 歩 氏
ヘルススコアってなんですか?
顧客の健康状態を表現する数値群
引用: カスタマーサクセス実行戦略
- Sansan ヘルススコア
- Deployment
- Engagement
- Adoption
- ROI
- これらの合計値で顧客の健康状態を測っている
- Gainsight DEAR Frame
- Gainsight 社の提唱するヘルススコアのフレームワーク
- Deployment(プロダクトを利用する上で、理想的な環境かどうかを表す)
- Engagement(顧客との関係性が良好かどうかを表す)
- Adoption(顧客のプロダクト利用状況が良好かどうかを表す)
- ROI(顧客がサクセスしているかどうかを表す)
- ヘルススコアの値
- Green > Lime > Yellow > Red
- Lime が母数として多い
- ヘルススコアはどうやって決めるかが重要
- セールスや CSM の直感をヒアリングするのが近道
- 普段の顧客接点から得られる感覚
- 企業規模や業種でヘルススコアは異なるのか?
- 異なるため NRR で分類している
- HRMOS ヘルススコア
- Outcome Health(成果指標)+ Experience Health(体験指標)
- 成果指標
- DEAR Frame で「プロセス」と「アウトカム」をスコアリング
- Deployment(プロダクトを活用する上で必要な環境が整っている)
- Engagement(適切なステークホルダーと適切にプロジェクトを進めている)
- Adoption(機能の活用度)
- ROI(顧客が求める成果指標の達成度)
- 体験指標
- 顧客体験を3つの要素に分解したスコアリング
- Product Experience(プロダクトの体験満足度)
- Support Experience(サポートの体験満足度)
- Sentiment Risk(CSM が定性的に検知するリスク度)
- 顧客の成功とはなんだろう?という点から指標を洗い出していった
- 定性的な情報をどうやって数値化するか?
- プロダクトの利用状況ではなく、成功への状況をはかる指標が重要
ヘルススコアをいつ、どのように活用してますか?
- 日々色々な場面で利用している
- アテンションすべき優先順位付けなど日々の活動の元にしている
- 継続率の予測、フォローが必要がターゲットの把握
- 優先順位をつけると全ての顧客にケア出来ないのでは?
- 前提として、年間に実施すべき回数などは決めているが、それ以上に必要とされる場合にアクションをとっている
- オンボーディング(目標)成功・失敗に利用
- 戦略立案のデータとして活用
- Green, Lime から Expansion を取りに行く
- Yellow, Red から チャーンを減らす
- CS だけではなく事業として活用
- スコアによって担当者を分けている?
- 顧客の状況・対応目的によって、最適な担当者をアサインしている
ヘルススコアは、どう作りどのように改善をしてきたの?
- 旧ヘルススコアは継続率を意識した指標となっていた
- 自社の成功は明確だったが、指標が顧客の成功につながっているかが不明瞭だった。
- ロイヤリティの高い顧客と低い顧客の間で、顧客の成功に寄与できているかの差異がみられた
- 以前はシンプルな利用率だけだった
CTA(Call to Action)ってどんなものを設定されていますか?
- 顧客支援テーマの設定
- 個別事象に対するアクション
- 顧客の利用状況の変化から新しい提案を行う(Expansion)
- チャーン防止(Risk)
- 予め約束したタスク(Lifecycle)
- 攻めのCTA(Expansion)
- 契約のアップグレード提案
- 守りのCTA(チャーン)
- チャンピオンの異動などを検知
- 漠然とした会話より、顧客状況を理解した上での会話(提案)の方が顧客へ意味のある内容となる
ここだけの秘密にするので、今だから話せる失敗談を聞かせて!
- ヘルススコアが社内に浸透しなかった
- 答え合わせを地道に実施していった
- ヘルススコアから見える結果を共有していき信頼を勝ち得た
- ヘルススコアが機能しなくなった
- 顧客がピラミッドの頂点に集中してしまった(モデルが機能していない)
ヘルススコアの評価
- ヘルススコアとチャーンや Exspansion の相関はデータありき
- 半年程度では立証できない
- AI を使ってみたが、、
- 微修正を繰り返していき、プロダクトや顧客に変化があった際は見直している
私もヘルススコアを作ってみたい!まず、何から始めたらいいでしょう?
- CS 担当からヒアリングを行う
- チャーンや継続につながる指標を探っていく
- ヘルススコアの運用が簡素であるかを注意した方がよい
- 日々、週次、月次で可能なのか?の見極めが必要
- 陳腐化してしまわないように。
テックタッチの設計と顧客のセルフサーブ化の実現
登壇者
- シスコシステムズ合同会社 小泉 雅人 氏
- Dropbox Japan 株式会社 小林 健吾 氏
- HiCustomer株式会社 高橋 歩 氏
今日お話しするテックタッチの定義を確認します。
- 顧客価値によって、階層に分け、それに応じて対応するレベルを分ける
- 顧客価値と対応手法が混ざるのが紛らわしい
- 顧客規模ではなくテクノロジーでタッチする手法をテーマとしています
そもそも、なんでテックタッチしなければならないの?
- テックタッチする理由
- スケールしない CS はCSではない?
- きちんと設計する必要がある
- 常にハイタッチのみでは属人化したものとなる
- ハイタッチがベストな顧客体験か?
- テックタッチはハイタッチの劣化版ではない
- テクノロジーを駆使したタッチ手法
- スケールしない CS はCSではない?
- CS がスケールしていくとテックタッチは必要となる
- 全ての顧客にハイタッチするのは現実的に不可能
- 本当に必要なハイタッチする部分に集中出来る
- ハイタッチで対面する方の裏にも多くのユーザーが存在している
カスタマーサクセスのプロセス設計で大事なこと
- ① 顧客を導くゴール地点を決めて
- ② 顧客と結成したプロジェクトメンバーで
- ③ ゴールまでの道を伴走する
- 顧客のゴールとプロセスを整理する
- サクセスロードマップ
- カスタマージャーニー
- タッチポイントの整理
テックタッチの設計方法
- CS 全体の設計
- 〇〇テックなどの前のグランドデザイン
- ① 顧客のゴール設定
- ② ライフサイクルステージの設定
- ③ ステージの定義付け
- ④ イグジット クライテリアの設計
- ⑤ ステージごとにお客様が行うこと
- ⑥ それによってお客様が体験すること
- タッチポイント、行動をトラックする
- ⑦ CS チームが提供すること、リソース
- CS でのロードマップ
- 初期はオンボーディングと Adoption のフェーズを設けた
- 成長するにつれて、4ステージまで分けている
- ステージのゴールはどのようにしているのか?
- 数値で測り、次のシナリオを用意する
- 手法の設計
- ① テックタッチによって顧客満足が高まる体験はどこか?
- ② テックタッチによって効率化、標準化出来るCS 活動はどこか?
- ③ アクションの条件を設定
- ④ KPI の設定
- ⑤ 運用方法を考え、実施する
- 実施方法が先行するのではなく、顧客満足・体験をベーステックタッチが最適化を判断していく
- テックタッチ の KPI がヘルススコアにつながるのか?
- 要素にはなりえるが、直接的な指標にはならない
- ハイタッチとテックタッチを融合したケース
- 全体のフローを描いて、最適なタッチ(手法)を選択する
CS テックタッチ設計方法
- テックタッチチームの立ち上げ方
- 戦略立案
- オンボーディングを先に行った方がよい
- 共通する項目が多い
- アダプションではケースバイケースとなるため複雑となる
- オンボーディングを先に行った方がよい
- 人材確保
- 手法により求められるスキルが異なる(マーケッター寄り)
- 戦略立案
テックタッチでカスタマーを自走させたいです!そのために何をしたらいいでしょう?
- コンテンツ制作
- マニュアル動画などを作成しているうちに、ハイクオリティになりがち
- 本当に必要な内容を伝える方が良い(牛丼食べたい人にフレンチ出すようなもの)
- ターゲットに届いているのか、ネクストアクションにつながっているのかを計測することが重要
- デリバリー
- 必要なときに、必要な情報が得られるか?
- 届けることに意味がある
- メールを開くより Google で検索する
- 社内で利用促進活用がされていないと効果が発揮されない
- オンラインコミュニティを活用
- テックタッチの一部とする
- ユーザー同士でハイタッチしてもらう
- データを取得し、プロダクトにもフィードバック出来る
- 理想的な状態
- オンラインならではとして、移動や時間の制約を超えて顧客と自社メンバーの交流が可能になり、よりロイヤリティが高まった
テックタッチを始めるには?
- オンボーディングから成功体験を作っていく
- 日本にも経験者が多いから知見は得られやすい
- とりあえず、小さく始めて試行錯誤していくのがよい
【基調講演】経営インパクトを最大化するカスタマーサクセスのDX方法
登壇者
- HiCustomer株式会社 鈴木 大貴
- CSカレッジ 代表 / 株式会社ABEJA 丸田 絃心 氏
なぜカスタマーサクセスに力を入れるべきなのか
- テクノロジーの発達でビジネスの前提が不可逆に変化
- ビジネスモデルや顧客マインドが変化
- プロダクトを提供する企業も長期的に利用してもらう必要が出てくる
- カスタマーサクセスの重要雨性は飛躍的に高まる
- 改善し続けることが当たり前に
- 競合が増えると満足度が低下
- 既存顧客の経営インパクトは甚大
- 新規顧客はコストがかかる(既存顧客からの収益が大事
- NRR が高いほど、企業価値が高く評価される
- カスタマーサクセスの強化=経営力の強化
国内のカスタマーサクセスの現状
カスタマーサクセスが抱える課題とは?
- データ管理 / 可視化
- 顧客情報が一元管理されておらず欲しい情報何引き出せない / コストが高い
- PDCA 管理
- 施策に対する効果測定ができていない
- スケーラビリティ
- ハイタッチ / 労働集約的なサクセス体制になってしまっている
カスタマーサクセスのパフォーマンスをあげるには?
- 「測定できないものは改善できない」
- 指標確認
- 解約に繋がる顧客の状態
- アクティビティ(ログイン状況 / 主要機能利用データ)
- エンゲージメント(NPS / CSAT / CSM 視点の顧客評価)
- 成果(ROI / サーベイ)
- 解約に繋がる顧客の状態
- 課題整理
- サクセスを妨げる原因を理解
- 理解(機能を知らない / 活用の方法がわからない)
- 運用(運用にのっていない / 組織的な問題がある)
- 評価(関係性が作れていない / 競合・代替手段検討)
- サクセスを妨げる原因を理解
- 行動計画
- サクセスに導くプラン
- 理解(機能紹介 / 再オンボーディング)
- 運用(原因ヒアリング / チャンピオン育成)
- 評価(F2F の面談 / ROI の提案)
- サクセスに導くプラン
- 行動実施
- プラン通り行動できているか
- 理解(機能紹介 / 再オンボーディング)
- 運用(原因ヒアリング / チャンピオン育成)
- 評価(F2F の面談 / ROI の提案)
- プラン通り行動できているか
- 指標確認
- 顧客の状態は改善したか
- アクティビティ(ログイン状況 / 主要機能利用データ)
- エンゲージメント(NPS / CSAT / CSM 視点の顧客評価)
- 成果(ROI / サーベイ)
- 顧客の状態は改善したか
カスタマーサクセスをスケーラブルにするには
- 顧客のリスク / 原因を受動的に理解
- 指標の変化をアラートとして捉え、CSM 視点で自動でチェック出来るようにする
- アラートから考えられる課題を自動で整理する
- 課題が明確になれば行動計画の作成も自動で可能となる(期日とタスク)
- 1 to N コミュニケーション(テックタッチ)に変換出来るとスケールすることができる
- スケーラブルな CS 実践のため揃えたいデータ
- 顧客側情報
- アクティビティ
- エンゲージメント
- 属性 / 契約
- ベンダー側情報雨
- ベンダーアクション
- 顧客側情報
- データの取り扱いと PDCA
- エンジニアリングコストが高い
- 時系列データの集計
- データ抽出 / 可視化
- メンテナンス
- 現場CSのアジリティは低い
- ヘルススコアの見直し
- CTA 作成・メンテナンス
- エンジニアリングコストが高い
- スクラッチでPDCAがまわる仕組みの開発・維持は大変
HiCustomer を使ってスケーラブルなカスタマーサクセスを実現しませんか?
- HiCustomer から提供出来る価値
- 顧客状態が一目で把握可能になり、顧客対応に専念できる
- 顧客の “状態“ に応じたアクショントリガー・内容を策定できる
- リスク顧客を検知し、プロアクティブな対応ができる
- 顧客の課題に応じて打ち手を型化し、業務の属人化を防げる
カスタマーサクセスが目指すべき姿
- Mission(使命)
- LTV の最大化
- Vision(ありたい姿)
- 愛されるプロダクトになる
- Value(行動指針)
- データドリブン
- CS をスケーラブルできたことを表す指標?
- シードアーリー
- 1人のARR(Annual Recurring Revenue) が増えているのがスタンダード
- 本質的な顧客のサクセスが実現できていない可能性もある
- 顧客の声を社内に摩擦なく伝えることができているか
- CSM あたり1億円は非常にレベルが高い
- 同業他社で先行している企業があれば参考値を出すことは可能
- シードアーリー
- CSM が意識すべきこと
- 2−3年後を考える時に、2−3年前を振り返るとヒントになる
- CS チームの規模が大きくなり、横に下にナレッジが展開される。テクノロジーも活用が進む。
- ARR を追求されてくる
- カスタマーサクセスの 1千万プレーヤーがで出てくる
- 事業にもたらせる効果が大きくなってくる
- 今後 CSM は重要視され、未来は明るい
さいごに
カスタマーサクセス実行戦略 を読ませていただいて CS の概念のようなものはぼんやりと分かったような状態で、より事例や先行者の方の話を聞きたいと思い、今回参加をしました。とても情報量が多く、全然消化しきれておらず、本レポートもメモ書きが精一杯でした。。
DAY2 が終わったら、改めて一つ一つのセッションを振り返りながら、咀嚼していきたいと思います!本記事が同じような方のお役に立てれば幸いです!