インストーラが新しくなったAlteryx Server 2023.2をセットアップする

インストーラが新しくなったAlteryx Server 2023.2をセットアップする

Clock Icon2024.02.16

こんにちは、アライアンス事業部の兼本です。

2022年11月にリリースされた Alteryx 2022.3 で製品のインストーラが変更されてから早いもので1年ちょっとが過ぎました。
(私も含めて)気が付いてない方もいらっしゃるのではないかと思いますので、備忘録としてインストール手順をまとめます。

システム要件

Alteryx Serverのシステム要件は以下の通りです。

項目 要件
プロセッサ 64-bit 2.5 GHz以上
CPU Alteryx Serverノードごとに最小4コア
エンタープライズ本番環境デプロイの場合は8~16コア以上
システムメモリ 32GB
推奨最小ディスクサイズ 1TB
OS Microsoft Windows Server 2016以降

システム要件に関して、より詳細な情報については公式サイトのヘルプページを参照してください。

重要!!

Alteryx Server 2023.2より Windows Server 2012 のサポートを終了しています。既存環境からのバージョンアップをご検討の場合は、ご使用のOSバージョンにご注意ください。詳細については、Windows Server 2012および2012 R2のサポート終了 を参照してください。

インストール手順

ここからインストール手順をステップバイステップで確認します。とはいえ、手順はこれまでと大きく変わるところはありません。

  1. ダウンロードしたインストーラを実行するとインストールプロセスが開始されます。

    もし、古いバージョンがインストールされている場合、最初に古いバージョンをアンインストールしてからインストール処理が開始されます。インストール前にバックアップの取得を行うよう注意してください。

2. 次へ進むとEULA(End User License Agreement)が表示されます。内容をご確認の上、問題がなければ「ライセンス契約に同意します」にチェックをして次に進みます。

3. インストール先ディレクトリの確認です。通常はデフォルトで問題ありませんが、変更が必要な場合はインストール先ディレクトリを指定します。

4. インストールをクリックするとインストールプロセスが開始します。

5. インストールプロセスが完了したら、完了ボタンを押下します。新規にAlteryx Serverをインストールする場合はこれでインストール作業は完了となり、手順9にすすみます。(新しくなったインストーラの出番はここまでなんですが、違いに気づいた方はDMくださいw)

6. 2023.2以前のバージョンの Alteryx Server がインストールされた環境をバージョンアップする場合、Alteryx Serverのメタデータが格納されたMongoDBのアップグレードプロセスが必要です。インストール完了後に次のダイアログが表示されますので、MongoDBのデータバックアップディレクトリを指定してマイグレーションプロセスを開始します。バックアップディレクトリは通常デフォルトのままで問題ありません。

7. MongoDBのマイグレーション中はダイアログ内に処理が出力されます。なお、この処理中にデータベースに接続できないという警告メッセージが表示されることがありますが、マイグレーション中はMongoDBのプロセスを停止しているため、この警告は無視しても問題ありません。

8. マイグレーション処理が完了すると、「Migration Complete」というメッセージが表示されるので、OKを押下してマイグレーション処理を終了します。

9. インストールが完了したら、デスクトップ上に「Alteryxシステム設定」というアイコンが作成されているので、クリックしてAlteryx Serverの設定を行います。

10. 「Alteryxシステム設定」を起動すると以下のようなダイアログが表示されます。既存環境のアップグレードを行う場合、基本的には過去の設定内容が継承されていますので、順次、Nextを押下して次に進みます。

11. 「Environment > General」ページにはAlteryx Serverが使用するワークディレクトリとホスト名が表示されています。基本的に変更する必要はありません。
「Globally Enable SSL/TLS」オプションを有効にするとAlteryx Serverの環境全体で SSL/TLS が有効になります。
なお、この設定を選択する前にAlteryx Serverのすべてのノードに有効な署名付き証明書と秘密キーがインストールされている必要があります。証明書のインストールと構成の詳細については、公式ヘルプの「サーバー SSL/TLS の構成」を参照してください。

12. 「Controller > General」ページでは、Alteryx Serverのコントローラノードに関する設定を行います。前半部分の設定に関しては基本的に変更する必要ありませんが、Scheduler、Insightsについては各機能を使用したい場合は有効にします。Alteryx 2020.2以降で追加されたAlteryx Multi-threaded Processing Engineを有効にしたい場合は、Enable AMP Engineにチェックをします。

※ Alteryx 2023.2ではAMPエンジンがデフォルトで有効になっています。

13. 「Controller > Persistence」ページでは、Alteryx Serverがメタデータ管理に使用するMongoDBの設定を行います。こちらも基本的に変更する必要はありませんが、Persistence Optionsの設定を変更することで、ワークフローの実行結果、完了したジョブスケジュール、Alteryx Serverにアップロードしたファイルをそれぞれ一定日数経過後に削除することができます。

14. 「Controller > Mapping」ページでは、Alteryx Server上で地図データを扱う際のメモリキャッシュサイズなどを設定します。こちらも基本的には変更する必要はありません。

15. 「Worker > General」ページでは、ワークフローを実行するワーカープロセスの設定を行います。

16. 「Worker > Run As」ページでは、ワーカープロセスを実行するWindowsユーザを割り当てることができます。Alteryx Serverのサービス本体を起動するユーザとワーカーを実行するユーザを分けたい場合は、こちらの設定で使用したいユーザの情報を設定します。

17. 「Worker > Mapping」ページでは、このサーバーで使用できるMap Render(地図描画用のプロセス)の起動数を指定できます。

18. 「Worker > Insights」ページでは、このAlteryx Serverで使用できるInsight機能を実行するプロセスに関する設定が行えます。

19. 「Server UI > General」ページでは、Alteryx ServerのユーザインターフェースとなるGallary機能に関する設定が行えます。

20. 「Server UI > Authentication」ページでは、Alteryx Serverの認証に関わる設定を行えます。Alteryx Serverではビルトインの認証方式以外にWindows認証やSAML認証を利用することができます。また、このページではGallary機能の管理者権限を持つユーザを指定します。

21. 「Server UI > SMTP」ページでは、Alteryx Serverから各種通知を送信するためのSMTP設定を行います。SMTPサーバは Amazon Simple Email Service(SES) などを使用して別途ご用意いただく必要があります。

22. 「Server UI > Persistence」ページは、Alteryx Serverを複数ノードによる分散構成を構築した際、MongoDBに接続するための情報を入力します。通常、こちらの設定を変更する必要はありません。

23. 「Engine > General」ページではワークフローエンジンの設定を行います。中段にある「Engine」設定では「Original Engine Only」、「AMP Engine Only」、「Both Engines」から選択することができますが、使用するエンジンはワークフローごとに設定できるので、通常は「Both Engines」を選択して問題ありません。

※デフォルトは「Both Engines」です。

24. 「Engine > Proxy」ページでは、プロキシに関する設定を行えます。Alteryx Serverが動作する環境でプロキシ経由でインターネットに接続する場合は、こちらに必要な設定を行う必要があります。

25. 「Engine > DCM」ページでは、Alteryx Serverから各種データソースに接続するための設定や認証情報を管理するDCM(Data Connection Manager)に関する設定が行えます。通常はこちらの設定を変更する必要はありません。最後にこれまでの設定内容を保存して、Alteryx Serverに反映する処理が行われます。
これでAlteryx Serverに関する設定作業が完了となり、これ以降はWebブラウザを使用してGallaryページにアクセスして、ワークフローの登録やスケジュール設定など運用管理に関わる設定を行います。

過去に作成したワークフローと新しいAMPエンジンの関係

前述の通り、Alteryx 2023.2ではワークフローを実行する際のデフォルトエンジンがAMPエンジンに変更されており、Alteryx Designer起動時には以下のメッセージが表示されるようになっています。また、新規にワークフローを作成するとデフォルトでAMPエンジンが有効になっています。

AMPエンジンを使用するか否かはワークフローごとに指定できるようになっており、ランタイム設定を変更することでいつでも変更可能です。

では、過去に作成したワークフローを実行する場合は、どのような動作になるでしょうか。実は、過去にOriginal Engineを使用する設定(上記設定でAMPエンジンが無効)になっているワークフローをAlteryx Designerで開くと、以下のメッセージが表示され、AMPエンジンを使用するように促されます。

このとき、「AMPに更新」を選択するとランタイム設定が変更され、「閉じる」を選択するとOriginal Engineを使用するようになっています。そのため、すでにAlteryx Serverに登録済みの(AMPエンジンが無効な)ワークフローに関してはOriginal Engineが使用されるようになっています。もし意図せず変更した場合は上記設定を見直すようにしてください。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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