[パブリックプレビュー] Amazon QuickSight で Generative BI 機能が使えるようになったのでオレゴンリージョンで有効化して使ってみた

[パブリックプレビュー] Amazon QuickSight で Generative BI 機能が使えるようになったのでオレゴンリージョンで有効化して使ってみた

Clock Icon2023.09.29

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いわさです。

本日、プライベートプレビューだった Amazon Bedrock が遂に GA となりましたね。

2023 年 7 月の AWS Summit New York では、この Amazon Bedrock を QuickSight へ組み込んだ「Generative BI 機能」が紹介されていました。
ただし 7 月時点では紹介のみされていて、プレビューのタイミングが待たれている状態でした。

そして今回の Amazon Bedrock の GA に併せて、QuickSight の Generative BI 機能がパブリックプレビューとなりました。

パブリックプレビュー時点ではバージニア北部リージョン、オレゴンリージョンでのみ利用可能です。
日本ではおそらくまだあまり使われていないと思いますが、QuickSight には既に QuickSight Q という機能が存在しています。
Generative BI 機能は QuickSight Q を Amazon Bedrock で強化したもので、利用の前提として QuickSight Q が必要となります。

本日はこちらを実際に試してみたので機能などを紹介したいと思います。

Amazon QuickSight のこの機能は本日時点でパブリックプレビューリリースであり、変更される可能性があります。

QuickSight Q を有効化

Generative BI 機能は QuickSight Q のトピックに対して操作を行うことで実現出来るようで、冒頭お伝えしたように前提として QuickSight Q の有効化が必要になります。
QuickSight Q は QuickSight の有償の追加オプションとなっています。今回の Generative BI 機能自体の料金はパブリックプレビュー時点では発生しませんが、QuickSight Q アドオンの料金は必要になりますのでご注意ください。

以下と同じ様にアドオンを有効化します。
なお、私の QuickSight 環境は、ホームリージョンが東京リージョンとなっていますので東京リージョンに切り替えた状態で管理画面を操作します。

QuickSight Q アドオンを購入する必要がある

QuickSight の管理メニューにある「お客様のサブスクリプション」から Q アドオンを入手することが出来ます。
アドオンの購入はホームリージョンで一括で行う必要があるので、今回は東京リージョンの管理コンソールでバージニア北部リージョンの QuickSight Q を有効化します。

アドオンはリージョンあたりの料金となっており、どのリージョンでアドオンを有効化するかを選択します。
ここではバージニア北部リージョンを選択しました。

選択して続行すると次のような表示になります。
QuickSight Q アドオンを購入はしたのですが、対象リージョンで使えるようになるまで初期化処理のようなものが走っています。

「Q を使用するための準備には 15~30 分かかる場合があります。」と画面上に説明がされているとおり、通常は数分待てば使えるようになるのですが、この時は 2 時間以上完了しない状態が続きました。
そこで、別の QuickSight アカウントのでオレゴンリージョンで有効化してみたところ、こちらは 2 ~ 3 分で有効化されました。

うーむ。プレビューになったことで混み合ってるとかでしょうか。
今回はオレゴンリージョンで進めたいと思います。バージニア北部リージョンはこのまま初期化処理中で変わらなければサポートへ問い合わせしてみたいと思います。

プレビューマネージャーで機能の有効化が必要

東京リージョンには存在していませんが、オレゴンリージョンの場合は「プレビューマネージャー」というメニューが存在しています。
こちらから今回のプレビュー機能を有効化することが出来ます。

なお、QuickSight Q のアドオン購入前は次のように「現在試すベータ機能はありません」と表示されていました。

QuickSight Q のアドオン購入後は次のように「生成系 BI エクスペリエンスを作成」が表示されています。
こちらを有効化しましょう。

トピックを作成

続いて QuickSight Q のトピックを作成します。
トピックは QuickSight Q で使われる、データセットに対するインデックスのようなオブジェクトです。 QuickSight Q ではデータセットではなく、特定のトピックを対象に Q のコンソールを使って自然言語を伝える流れとなっています。

先程の手順でプレビュー機能を有効化すると、次のように分析画面の上部にメニューが追加表示されていると思います。

こちらからトピックを作成することが出来ます。
プレビュー機能を有効化していない場合は従来どおり Q の吹き出しアイコンからトピック自体の作成は可能です。

トピックの作成が完了すると次のように表示が切り替わることが確認出来ます。

分析で Generative BI 機能が使える

アドオンを有効化しトピックも作成出来たので、Generative BI 機能を触ってみましょう。
先日、簡単なデータを可視化するために色々と試行錯誤したことがありました。次の記事です。

本日は今回パブリックプレビューとなった Generative BI 機能を使って上記の工程のいくつかを試してみたいと思います。
事前にオレゴンリージョンにデータセットを作成済みです。

分析を生成してくれる

これまで QuickSight Q では、主に作成済みの分析に対して自然言語で何かしらの予測やインサイトを得ることがメインでした。
今回の Generative BI 機能では、これまで開発者が行っていた分析や計算フィールドの作成を QuickSight Q に任せることが出来るようになりました。

まずは Generative BI を使って希望する分析を作成してみましょう。

開始するには上部の「Ask Q to build a visual」ボタンを押します。
右側に Build a visual の画面が表示されます。

ここでどういうビジュアルを作成したいのかを自然言語ベースで入力するようですね。
いくつかサジェストされているものがあるので、こちらを選択してみましょう。

選択すると右側の ASK 画面上にビジュアルが表示されました。分析上にはまだ表示されていません。
どうやら上部のテキストボックスに要求を入力し、BUILD ボタンを押すことでこのビジュアルが作成されているようです。

続いて、この状態から下部の ADD TO ANALYSIS ボタンを押してみましょう。

表示されていたビジュアルが、分析上に実際に作成されました。
なるほど。自然言語で作成したいビジュアルの情報を入力し、良さそうであれば分析上に作成出来る感じか。

ちなみに、このビジュアルは期待するものとちょっと違ったので別のビジュアルを作成してみたいと思います。
血液型ごとにユーザーが何人いるのかわかるようなビジュアルにしてもらいましょう。

次のように入力して BUILD ボタンを押します。

良さそうですね。
ユーザーの重複も考慮されたビジュアルが作成されています。

ADD TO ANALYSYS ボタンで分析上に追加してみると、メジャーは user_id の個別の値をカウントするようになっていたので期待した集計方法が選択されています。

分析を変更してくれる

Generative BI では分析の作成も出来ますが、既存の分析を変更・調整することも出来るようです。
配置済みの分析に次のアイコンが追加されていますのでこちらを選択してみましょう。

そうすると Build for me というダイアログが分析上に表示されます。
どうやらここで変更したい内容を入力すれば良いようですね。

入力フォーマットがよくわからないですが、横の棒グラフを縦の棒グラフにし、さらに色をつけてくれと要求してみましょう。
説明欄には次のように補足されているので、英語で入力するのが良さそうですね。日本語でも一応試してみたのですがあまり期待する結果は得られませんでした。

要求を入力したら、BUILD ボタンを押します。

ビジュアルの更新中のようです。数秒待ちます。

ビジュアルが更新されました。ただ、正しく表示されなくなってしまいました。
原因はビジュアル上に記載されているとおり同じフィールドが複数のフィールドウェルで使用されているためです。うーむ、このように Generative BI 機能を使ってもうまく表示出来ないパターンが生成される場合もあるようですね。

ただし、ビジュアルタイプは期待したとおり縦の棒グラフに変更されていました。

計算フィールドを生成してくれる

ここまで、分析の作成と調整を Generative BI が担ってくれることが確認出来ましたが、計算フィールドの作成も行ってくれるようなので試してみます。
まずは通常どおり計算フィールドを新しく追加します。

計算フィールドの編集画面に次のような見慣れないボタンが追加されています。自分用に作成...!?

押してみると、先程と同じようにテキストボックスと BUILD ボタンが表示されています。
ここに計算フィールドに期待する要件を入力すると、自動で計算フィールドの数式を作成してくれそうな雰囲気ですね。

前回試行錯誤した記事ではユーザーの個別のカウントから全ユーザーに対する割合を表示する計算フィールドを追加しました。
ちょっとどう要求したら良いのかよくわからなかったのですが、次のように入力してビルドボタンを押してみると、何やらそれっぽい数式が作成されています。

INSERT ボタンを押してみると、次のように数式エリアに生成された数式が展開されました。
また、Generative BI 機能でどういうリクエストで生成されたものなのかがコメントで記述されていますね。

このままビジュアルで計算フィールドを指定してみると、次のように割合で表示されます。
実際のところ、この数式は期待するものと違っているのですが、おそらく私が正しくリクエスト出来てない気がします。
ただ、計算フィールドの場合はビジュアルで指定したディメンションに依存する場合もあるので、そのあたりのコンテキストをどのように伝えたら良いのかが結構難しい気がしますね。
例えば先程のリクエストのケースであれば「血液型ごと」というのはあくまでもビジュアル上の X 軸で指定されるディメンションなので計算フィールド上は考慮する必要がありません。

さいごに

本日は Amazon QuickSight で Generative BI 機能がパブリックプレビューで使えるようになったので試してみました。

Generative BI 機能を使って分析の作成と調整、計算フィールドの作成が出来ることが確認出来ました。
まだパブリックプレビューでリージョンや言語も限定的ですが、これはなかなか今後が楽しみな機能ですね。

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