「クラスメソッド営業による生成AIとの向き合い方と活用例」というタイトルで Classmethod AI Talks(CATs)第4回に登壇しました #catalks

「クラスメソッド営業による生成AIとの向き合い方と活用例」というタイトルで Classmethod AI Talks(CATs)第4回に登壇しました #catalks

【はじめに】

クラスメソッドが運営している生成AI関連コミュニティ『Classmethod AI Talks(CATs)』の第4回が10月16日に開催されました!
そちらで「クラスメソッド営業による生成AIとの向き合い方と活用例」というタイトルで登壇しましたので、本ブログで概要を紹介します。
なおアーカイブ動画も残っておりますので、見逃した方は是非動画もご覧ください!
https://www.youtube.com/live/Vz2AT3OT5rk?si=P7XPuM5IsL8MCQec

【対象者】

  • 生成AIの業務活用のイメージが湧いていない方 (特に非技術者の方)
  • 社内で生成AI活用を促進したいと思っている管理者の方

といった皆様へ何かしら気づきやヒントを与えることができたらと思いながらお話しました。

【登壇資料】

それではこれより、登壇内容について細かく紹介します。まずは自己紹介から。

自己紹介

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改めて、髙山と申します!
クラスメソッドの営業統括本部 セールスオペレーション部というところで

  • ミドルセールスチーム:営業メンバーの業務効率化を行う
  • トレーニングチーム:新人社員のオンボーディングや営業研修を行う
  • グローバルセールスチーム:クラスメソッドの海外ビジネス展開を促進する

上記3つのチームに所属して活動しています。
部のミッションとしては業務効率化を通じた全営業の活動最大化。
営業が事務作業や確認に要していた時間を削減し、お客様と向き合う時間を増やすための活動を行っています。

個人の経歴としては新卒で人材派遣や紹介を行う会社に入社し、その後フィリピンにて日本語学校を立ち上げ運営していました。
2022年1月にクラスメソッドに入社してからは2年間アカウント営業として法人向けのコンサルティング営業に従事したのち、今のセールスオペレーションに移っています。

ということでクラスメソッド入社前は、AIはもちろんのことIT業界の経験もありませんでした。
このブログではそんな自分がどのように生成AIに向き合い現状活用しているかを紹介することで、これから生成AIを活用しようとしている方の背中を押すようなことができたら嬉しいです。

本日話すこと・話さないこと

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話すこととしては、生成AIに対する個人的な所感が第一印象からどう変わったのかということ。
私の現在の役割である業務効率化にどのように活用しているかということ。
そして営業現場での活用例を紹介します。

一方で話さないことですが、弊社の生成AI関連サービスの紹介などはしません。
また生成AIの仕組みなど、技術的な内容も話しません。というか、話せません。

生成AIの第一印象

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それでは本題に、まずは生成AIの第一印象です。
2022年12月に生成AIが世の中に知れ渡り、社内でも「まず触ってみよう」という動きが高まりました。
そんな中、当時法人のフロント営業をしていた私がどのように思っていたかというと・・・

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まずすごい!という感じです。色々便利になるんだろうなと、単純にワクワクしていました。
しかしその一方で、使う人を選ぶツールではないかと思っていました。
今もそういう思いを持っている方、少なくないと思います。
というのも、例えばこういう事象がありました。

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ChatGPTが出てきてすぐ、ChatGPTにクラスメソッドのことを聞いてみました。
「代表は?」と聞くと自信満々に「田中謙介です」と返してきました。(弊社の代表は横田です)
こうした生成AIの間違った回答に対し当時真剣に非難、否定する声も少なくありませんでした。

一方自分がどのように思っていたかというと、生成AIを否定する気持ちはありませんでした。
どちらかというと自分、利用者の使い方が悪いんだと感じていました。
「プロンプト」や「チューニング」「RAG」など、そうした言葉の意味も正確に知らない非技術者の自分にとっては望む回答を得るには敷居が高いツールかなと、無意識のうちに距離を空けていたと思います。
使えるようにならないとまずいという危機感はありつつ、結構努力しないとモノにならないのではという印象でした。

皆様の周りにもそう思っていそうな方、いらっしゃるんじゃないでしょうか。
実際こうした回答の正確性はアップデートとともに高まっているものの、それだけでは安心できず活用に踏み切れないという方も多いのではと思います。

生成AIへの向き合い方が変わったきっかけ

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自分が生成AIへの向き合い方が変わったきっかけは、社内の勉強会への参加です。
有志の5〜6人で定期開催しているクローズドな場で、外部への生成AI活用支援を行っている部署の担当者が中心となって行っています。
堅い場ではなく、社内の座談会のような感じでChatGPT自体の機能紹介や、実際に手を動かしてみて実感し、いろいろな質問をざっくばらんに受け付けてくれるような場となっています。
以下に私が参加した際に印象に残っている内容を2つ紹介します。

Image(画像)→Text(文章)の容易さ

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まず1つは、画像から文章の出力が思った以上に簡単にできるということです。
例えば、今回のイベントページをPDF出力してみます。

そのままChatGPTにドラッグ&ドロップの形で添付し「添付ファイルの内容を300字程度で要約してください」と依頼すると、しっかり返してくれます。私の情報も含んでくれていますね。
続けて「登壇者の所属部署とDeveloers IOのリンクを抽出して、箇条書きでまとめてください」と依頼するとしっかりとその情報のみ抜き出してくれます。リンクも機能しており、クリックすると正しいブログページに遷移しました。

英訳もしっかりとしてくれたり、非常に便利です。ちなみにPDF出力だけではなくスクリーンショットなどでも同様に対応してくれます。
チャット欄にファイル添付して依頼するだけでしっかりと返してくれるので、普段のコミュニケーションツールにおける対人の会話とほぼ同じ感覚で依頼できます。
データの加工など前準備が必要と思っていた自分はかなり驚きました。

マイGPT活用の利便性(ChatGPT Enterprise前提)

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Enterpriseライセンスが必要になるのですが、マイGPTという機能も非常に便利です。
マイGPTとはその名の通り、自分だけのGPTを作れる機能です。

ChatGPT自体はWeb上に公開されている情報を元に質問に回答してくれますが、マイGPTでは参照するリソースを指定したり、どのように振る舞うかを利用者が指定できます。

右上のダイヤモンドのようなマークから「マイGPT」を選んで、新規作成に進みます。
「どんなGPTを作りますか?」と聞かれます。例として「営業資料を見て質問に答えてくれるGPTを作りたいです」と返事します。
次に名前をつけてあげます。提案されるものに対して、望む名前を指定することもできます。弊社のサービスは『クラスメソッドメンバーズ』というので、「メンバーズ詳しいマン」と指定してみます。
次にプロフィール画像を生成してくれます。ここでも色々注文を出すことができます。

プロフィール画像が完成すると、役割に加えてどのような振る舞いをするかを聞かれます。
例では間違った回答をされると困るので、「わからないことはわからないと返答するようにしてください。事実を大事にします」と指定します。
最後に振る舞い、GPTの性格のようなものを指定して初期設定は完了です。

こうした初期設定も全てチャットで完了させることができます。これも非常に驚きでした。

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作成した初期設定は「構成」という画面から随時確認、変更することができます。

GPTが参照するデータを指定する際は「知識」のところにある「ファイルをアップロードする」から必要なファイルをアップロードします。
ここではクラスメソッドメンバーズのサービス資料を読み込ませてみます。これで、Web上には載っていないが当該資料に書いてある内容も含めて回答してくれるGPTにすることができます。

デフォルトでは「ウェブ参照」にチェックが入っていますが、これを外すことで参照をアップロードしたファイルのみに限定させることもできます。
以上で基本的にマイGPTの作成は完了です!

共有もURL共有で簡単にできるため、非常に便利です。
利用者もEnterpriseライセンスが必要なことと編集は作成者しかできないことに注意ください。
また以下で紹介する弊社作成のマイGPTも外部公開は仕組み上できない点ご了承ください。

現場の活用例

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ここからは生成AIを我々営業部がどのように活用しているかをご紹介します。
まずは私が所属しているセールスオペレーション部での活用例から。

営業ナレッジ習得ツール / トレーニングチーム

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トレーニングチームでは、営業メンバーのナレッジ習得ツールとして活用しています。
お客様からいただくご質問に持ち帰らず即座回答できること、また幅広い提案ができることを目的として、「メンバーズオンボーディングトレーナー」というマイGPTを作成しました。
先程の設定とほぼ同じく、弊社の営業資料を複数読み込ませたマイGPTです。

マイGPTはお客様役になり、利用者へ弊社サービスに関する質問を複数してくれます。
こうした練習メニューは社内で1000本ノックという名前で既に存在しています。これまでは先輩営業が新人営業に対して行っていたのですが、ChatGPTにしてもらえるようにしました。
「1000本ノックをやりたいです」というと前提の確認の上、実際に色々な質問をランダムでした上で、回答への正誤判断もしてくれます。

皆様の会社も大きなボリュームの営業資料を使っていたり、その習得にかかる時間や人の工数に課題を感じていませんか?よろしければ近しいマイGPTを作り試してみてください!

社内Slackチャンネルの用途別検索ツール / ミドルセールスチーム

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2つ目の活用例として、Slackチャンネルの検索ツールを紹介します。
弊社では社内のチャットツールとしてSlackを使っているのですが、膨大な数があり内部連絡の際に「どのチャンネルに投稿するんだっけ」という確認で時間がかかることがよくあります。
営業が要している社内確認時間を短縮し、お客様への連絡・ご質問への回答をより早く行えるようにとこのツールを作成しました。
確認したい内容をチャット形式で投げかけると適切なSlackチャンネルを教えてくれます。
こちらは当然Webに公開されているものではないため、別途『営業として必要とされるSlackチャンネルリスト』をExcelで作成し、各チャンネルの用途やキーワードを記載した上でマイGPTに読み込ませています。

DevIO記事のプレビューツール / ミドルセールスチーム

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皆様にご覧いただいているこの技術ブログ Developers IO ですが、エンジニアだけでなく営業メンバーも執筆することがあります。
書かれる内容は非常に多岐に渡り各メンバーが自由に執筆していますが「こうした内容は書いてはいけない」という『ブログメディアポリシー』なるものが社内に存在しています。
例:他者を貶す記載はNG。根拠がない誇張と取れる記載はNG など

特に新人営業などブログを書き慣れていないメンバーについては我々トレーニングチームを中心に先輩営業が下書きの記事をメディアポリシーに従ってレビューしていました。
これを、メディアポリシーをPDF出力してマイGPTに読み込ませることで人的な確認漏れを防ぐことを可能にしています。

お客様情報の深掘りと整理 / 各営業現場

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最後に営業現場ですが、こちらは独自のマイGPTではなく普通のChatGPTを用いて色々と試行錯誤しています。

例えばお客様のIR情報や成長戦略といったWebで公開されている情報をまとめて整理してもらい、それらに対する課題の仮説立案などをしてもらっています。
またSWOTや5C分析などにも活用しており、総じてまとめた情報をもとにしたクラスメソッドによる支援提案の壁打ちなども行っています。

会話を始める際に「あなたは優秀なアシスタントです。ユーザーの指示には注意深く従い〜」といった汎用的なプロンプトを書くこともあれば、「あなたは〇〇業界の会社のCTOです。私はIT会社の営業です。」といったプロンプトのもと営業ロープレをすることもあります。

いずれもアプリをダウンロードすることで音声チャットが可能になり非常に便利です!
「小一時間ChatGPTと会話することで特定のお客様の情報が非常に頭に入ります」
「音声チャットだとロープレの練習がより捗ります」という声を聞きました。

【まとめ】

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まとめですが、私個人として以前は生成AIを業務で活用するには専門的な知識が必要と思っていました。

しかし実際はそんなことはなく、日々使っているコミュニケーションツールと同じ感覚で様々な依頼をすることができます。
当然まだまだ人の手で回答結果を確認する必要性や、質問の仕方に気をつけるところなどはありますが、日々の業務時間を短縮し効率的にする上で非常に有用なツールであると改めて思いました。

もしも業務活用に一歩踏み込めていない方がいましたら、是非これを機に使い始めてみていただけたらと思います!

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