[AWS 勉強記録] RI/SPに対して勉強したことを記録しました
Amazon EC2インスタンスのコスト削減のために利用できる
Reserved Instances(RI) と Savings Plans(SP) の記事です
Reserved Instances(RI)概要
Reserved Instances(RI) とは、一定期間(1年または3年)にわたって EC2 インスタンスのキャパシティを契約し、オンデマンド(On-Demand)と比較して割引を受けられる購入オプションです。
主な特徴は以下のとおりです。
- タイプ別の割引率
- Standard RI: 割引率が最も高い
- Convertible RI: Standard RIに比べると割引率は低いが、インスタンスファミリーの変更が可能
- 適用範囲 (AZ vs. Region)
- Zonal RI: 特定のアベイラビリティーゾーン(AZ)に固定し、そのAZのキャパシティを保証
- Regional RI: リージョン全体に柔軟に適用
AWSが提供するRIは大きく分けて「Standard Reserved Instances」と「Convertible Reserved Instances」に分類されます。さらに、適用範囲として「Zonal / Regional」を選択できます。
Standard Reserved Instances
最も基本的なRI の形態です。
- 約定期間(1年または3年)の間、インスタンスを予約して使用
- 高い割引率が提供されるが、インスタンスタイプの変更は不可能
A) Standard Zonal RI
- 特定のAZ(例:
us-east-1a
)を指定 - インスタンスサイズの柔軟性なし(購入時点でm5.largeを予約した場合、その期間はm5.largeのみ割引対象)
B) Standard Regional RI
- リージョン全体(例:
us-east-1
)に対して適用 - 同じリージョン内で稼働する該当インスタンスファミリーのインスタンスに割引を適用
Convertible Reserved Instances
インスタンスタイプの変更が必要な可能性がある環境 に適しています。
- 約定期間(1年または3年)の間、インスタンスを予約
- 途中で同一インスタンスファミリー内の別タイプ(サイズなど)に変更可能
- 例: m5.large → m5.xlarge → m5.2xlarge など
- 割引率はStandard RIほど高くないが、変更できる柔軟性がある
A) Convertible Zonal RI
- 特定のAZに固定しながら、予約したインスタンスタイプを変更可能
- AZのキャパシティを確保しつつ、インスタンスの種類変更も必要な場合に利用できる
B) Convertible Regional RI
- リージョン全体に適用され、インスタンスサイズの柔軟性だけでなく、予約そのもののインスタンスタイプも変更可能
- 最も柔軟性が高く、リージョン単位の適用+変更可能なメリットを同時に持つ
Savings Plans(SP)概要
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Compute Savings Plans
- EC2だけでなく、AWS Fargate、AWS Lambda といった様々なコンピューティングサービスに対して割引が適用可能
- EC2 Instance Savings Plansよりもやや割引率は低いが、EC2以外のサービスを含められるメリットが大きい
-
EC2 Instance Savings Plans
- 特定のリージョン内で、インスタンスファミリー(例: m5, c5)を自由に変更できる(OSやテナンシーは除く)
- Compute Savings Plansより割引率は高いが、適用範囲がEC2インスタンスに限定
- 同一リージョン内であればサイズ変更も自在で、柔軟性が高い
Savings PlansとReserved Instancesの比較
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共通点
- いずれも1年または3年の約定が可能
-
相違点
- サービスの範囲
- Compute Savings Plans は、EC2、Fargate、Lambda など複数サービスに対して割引を適用可能
- RI は EC2のみ が対象(ただし RDS や ElastiCache、Redshiftなどにも個別でRIを購入することはできる)
- キャパシティ保証
- Zonal RI は購入したAZのキャパシティを保証
- Savings Plans にはキャパシティ保証がない
- サービスの範囲
どのオプションを選ぶべきか?
-
オンデマンド(On-Demand)料金よりコストを下げたい & インスタンスタイプ変更の可能性がほぼない
- → Standard Reserved Instances
- (必要に応じてZonalまたはRegionalを選択)
- → Standard Reserved Instances
-
EC2以外にもLambda、Fargateなどを使い、全体的なComputeコストを下げたい
- → Compute Savings Plans
- 一括で複数のコンピューティングサービスに対して割引を適用でき、最も柔軟
-
特定AZのキャパシティ保証が必要
- → Zonal Reserved Instances
- Regional Savings PlansやRegional RIではAZのキャパシティ保証はない
-
本番以外のテストや非重要ワークロードをできるだけ安価に運用したい
- → Spot Instances
- 途中で中断される可能性があるため、24時間継続稼働が必要なワークロードには不向き
まとめ
-
Reserved Instances (RI)
- Standard RI
- インスタンスタイプの変更不可
- 割引率が最も高い
- (Zonalの場合) AZキャパシティ保証
- Convertible RI
- インスタンスファミリーの変更が可能
- (Zonal/Regionalの組み合わせが可能)
- Standard RI
-
Savings Plans (SP)
- Compute Savings Plans
- EC2、Fargate、Lambdaなどコンピューティングサービス全体に割引を適用
- 最も柔軟性が高い
- EC2 Instance Savings Plans
- 特定のリージョン内でEC2インスタンスファミリーを自由に変更可能
- Compute Savings Plans
区分 | Standard RI | Convertible RI | Savings Plans (EC2 / Compute) |
---|---|---|---|
インスタンス変更 | 不可 | 可能(同一ファミリー内) | SP はインスタンススペックの変更が自由、Compute SP はサービス対象も拡大可能 |
適用範囲(AZ / Region) | Zonal(キャパシティ保証) または Regional(サイズ柔軟性) |
Zonal または Regional | リージョン単位で適用 (キャパシティ保証なし) |
利点 | (Standard) 高い割引率 (Zonal) AZキャパシティ保証 |
インスタンスファミリー変更可能 | 購入/適用手続きが簡単、幅広く柔軟 |
欠点 | 変更の柔軟性が低い | 割引率がStandardより低い | AZキャパシティ保証なし RIより割引率が低い場合がある |
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