[アップデート] AWS Glue Data Catalog が Apache Icebergテーブルに対する高度な自動最適化機能を提供
AWS事業本部コンサルティング部の石川です。Apache Icebergテーブルに対する高度な自動最適化機能をAWS Glue Data Catalogに追加しました。今回のアップデートで改善点について解説します。
Apache Icebergテーブルに対する自動最適化機能とは
AWS Glue Data Catalog は、データの圧縮、スナップショット管理、孤立ファイルの処理が自動的に行われ、メタデータのオーバーヘッド削減、ストレージコスト管理、クエリパフォーマンス向上が実現します。手動でのメンテナンス作業が不要となり、Iceberg テーブルの効率的な運用が可能になります。
この自動最適化機能は、テーブルを定期的に監視し、不要なスナップショットやデータファイルを削除します。ユーザーは保持期間などの設定をカスタマイズでき、AWS コンソール、CLI、SDK を通じて機能を有効化できます。
最近のアップデートでは、VPC対応も追加され、セキュリティを強化しつつデータ管理の効率化が可能になりました。
今回のアップデートで改善した点
マネジメントコンソール上では、違いが見られませんが、これらの機能は既存および新規のGlue Catalogオプティマイザーに自動的に適用されます。
削除ファイルの自動圧縮(コンパクション)対応
Iceberg テーブルの削除ファイルとメタデータのオーバーヘッドが削減されました。特に頻繁に更新が発生するストリーミングデータを扱う環境での効率が改善し、クエリパフォーマンスが向上する考えられます。
- ストリーミングデータに対するIcebergテーブルの自動コンパクションをサポート
- メタデータのオーバーヘッドを削減
- クエリパフォーマンスを向上
ネストされたデータ型のサポート強化
ネストしたデータ方の自動最適化をサポートしました。
- 深くネストされた複雑なデータ構造のサポート
部分的な進捗コミットのサポート
部分的な進行状況をコミットして競合を減らします。
- コンフリクトを減らすための段階的なコミット機能
- データファイルとデルタ/削除ファイルの両方に対してコンパクション処理を実行
パーティション進化のサポート
列の並べ替えや名前の変更に伴うスキーマの進化と、パーティション仕様の進化をサポートするようになりました。
- スキーマ変更(列の並べ替えや名前変更)
- パーティション仕様の進化への対応
圧縮コーデックの拡張サポート
- parquet 圧縮コーデックの zstd, brotli, lz4, gzip, snappyなどの圧縮形式に対応
最後に
AWS Glue Data Catalogに追加された Apache Icebergテーブルに対する高度な自動最適化機能は、削除ファイルの自動圧縮、ネストされたデータ型のサポート強化、部分的な進捗コミット、パーティション進化のサポート、そして圧縮コーデックの拡張サポートなど、多岐にわたる改善が実装されました。
特にストリーミングデータを扱う環境でのメタデータオーバーヘッドの削減とクエリパフォーマンスの向上が期待されます。
Apache Icebergは、高機能かつ広範囲のサポートしているため、データファイルのコンパクションや最適化、その効果的な手法については継続的な進化が求められます。誰もわかってくれないだろうけど、真摯に正常進化していると筆者は感じています。
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