[レポート]Anthos が変えるハイブリッドクラウドの形 #GoogleNext19
Google Cloud Next'19 in Tokyoの「Anthos が変えるハイブリッドクラウドの形」のセッションレポートです。
https://cloud.withgoogle.com/next/tokyo/sessions?session=D2-3-S01
先日、Google が Anthos をアナウンスしました。まだ、どういうものなのか、何を実現するものなのか、深く理解している人は少ないと思います。 本セッションでは、Anthos が何を目指しているのか、何が実現できるのかというようなコンセプトから、Kubernetes、Istio などのコンポーネントに触れながら、これを利用することで何が変わるのか、技術者、ビジネス担当者それぞれの立場から見たメリットを合わせ、ご説明します。
長谷部 光治 氏 Google Cloud, ソリューションアーキテクト
背景
日本のエンタープライズITは変革がもとめられている
- 開発手法の変革
- スキルの変革
- リソース配分の変革
- 市場の変化
Anthosとは
「The future of cloud」に対するGoogleの答え
- 2019/04にGoogle Cloud Next'19で発表
- ハイブリッドマルチクラウドプラットフォーム
- アプリケーション管理プラットフォーム
Anthosが目指すもの
3つの大きな価値
- ハイブリッド&マルチクラウド
- フルマネージド指向
- オープンテクノロジー with Google
ハイブリッド&マルチクラウド
Google Cloud, オンプレ, AWSなど他社クラウドのリソースを活用できる
- 既存リソースの有効利用
- レギュレーション、社内ポリシーへの対応
- コスト、特徴に基づいたクラウドの使い分け
社内ポリシーの都合により、オンプレでなければならない組織もある
フルマネージド指向
- 価値のある業務に集中
- Googleによるテスト、監査
- 元々のオープンソースに準拠
GKE, Istio on GKE, Cloud Run, Kubernetes, Istio, Knative, ...
オープンテクノロジー with Google
2,000を超えるオープンソースプロジェクトへの貢献
- Kubernetes
- Knative
- Istio
- Tensorflow
- ...
オープンソースエコシステム
- Confluent
- DataStax
- Elastic
- InfluxData
- MongoDB
- Neo4j
- Redis Labs
主要オープンソース企業と戦略的パートナー湿布を推し進めている
Anthosの構成要素がもたらす価値
お客様に 変化の早い時代 に、間違いの無い選択 をして頂くため モダン 、最先端 、そして 競争力のあるプラットフォーム を より 使いやすい形 で、最大限の柔軟性 と共に提供する
3年後の未来でもどうなっているかは分からないので、変化に柔軟に適応できる状態にしておく
時代の流れ
ベアメタル -> 仮想マシン -> コンテナ
コンテナの特徴
- ファイルサイズが小さい
- アプリケーションに必要なものがひとまとめになっている
- (仮想マシンに比べ)負荷が低い
なぜGoogleがコンテナを使うのか?
- 開発速度を挙げて、新機能を早くリリースしたい
- サーバーリソースを有効活用したい(使い切りたい)
- 開発者は開発に集中したい
コンテナオーケストレーションの重要性
- どのサーバー上に作る?
- スケジューリング
- サーバーが落ちたらどうする?
- セルフヒーリング
- 負荷が高くなったらどうする?
- オートスケーリング
15年を超えるコンテナオーケストレーションの経験
Borgからはじまり、GKE、Anthosへ
Anthosのテクノロジースタック
画像のようにベースにはGKE, GKE On-premなどKubernetesがある。
Anthosの提供機能
- コンテナオーケストレーション
- サービスメッシュ
- 設定、ポリシーの一言管理
- コンテナへのマイグレーション
コンテナオーケストレーション
あるべき状態 を記述し、Kubernetesは その状態を保ち続ける ように動く
- Kubernetes
- 宣言型APIで実現
- サービスディスカバリ
- オートヒーリング
- オートスケーリング
- ストレージ連携
オートヒーリング
- マニュアル対応とKubernetesのシステム対応
サービスメッシュ
マイクロサービス
- 1つ1つのサービスが小さく、シンプル
メリット
- 機動的な機能追加
- 個別集中的なセキュリティ
- 個別のテクノロジー採用
マイクロサービス間の連携が増え、管理が大変
- どのように連携するか
- どのサービスがどのサービスと連携しているのか
- サービス間のセキュリティ認証、認可の担保はどうするか
これらを解決するのがサービスメッシュ。
AnthosではIstioが担当する。
設定、ポリシーの一元管理
- マルチ、ハイブリッドクラスタの一元管理
- 宣言型モデルと継続的モニタリング
- シンプルなマイグレーション
コンテナへのマイグレーション
オンプレやGCE, その他クラウドの仮想マシンをコンテナ化して移行する
- リフト&モダナイズ
- 簡易性、最小限の労力、最小限のダウンタイム
ユースケース
Anthos on Edges
エッジロケーションにAnthos(GKE On-prem)を導入し、集中管理する。
- 集中管理し、運用コスト低減
- 簡易な導入
- デフォルトでモニタリング
Anthos for Hybrid Cloud
レギュレーション、社内ポリシー的にクラウドに置けないアプリケーションをGKE On-premに、それ以外はGKEで稼働させる。
- 一貫性を持った開発、運用
- 柔軟な機能配置
オンプレに適するものはオンプレに
Anthos for Multi-Cloud
コスト、アプリケーションの要件、開発者の好みなどで、クラウドを使い分ける。
- 最大限の柔軟性
- 複数のクラウドでDR
まとめ
Anthosは「The future of cloud」に対するGoogleの答え
以下の3つにより、予測不能な未来に備える
- ハイブレッド&マルチクラウド
- フルマネージド指向
- オープンテクノロジー with Google
感想
オンプレやAWSなどその他のクラウドで動作するVMをコンテナに自動変換し、Kubernetesに移行するMigrate for Anthosも提供され、アプリケーションのリフト&シフトの課題解決に魅力的なソリューションだと感じました。
参考リンク
Anthos - ハイブリッド クラウドとマルチクラウドのプロダクト
https://cloud.google.com/anthos/?hl=ja
Anthos を発表 : マルチクラウド環境に対応した全く新しいアプリケーション管理プラットフォーム
https://cloud-ja.googleblog.com/2019/04/new-platform-for-managing-applications-in-todays-multi-cloud-world.html