問題と助言における具体と抽象の組み合わせ
こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。
仕事をしていると、何らかの問題について相談させることがあります。
問題の内容は具体的なものもあれば、抽象的なものもあります。さらに、それに対する助言も具体的なものもあれば、抽象的なものもあります。この記事では、問題と助言の具体性と抽象性について解説します。
具体的な問題
具体的な問題とは、状況や課題が詳細に定義されたものです。問題が特定されているため、対処方法や必要なアクションを検討する前提が整っています。
例
現在進行中のプロジェクトで、開発スケジュールが2週間遅れている。どのようにリソースを再配分すればよいか?
抽象的な問題
抽象的な問題は、状況や課題が不明確な状態のものです。問題が曖昧なため、対処方法や必要なアクションを検討する前提が整っていません。
例
チーム全体の士気が下がっている気がする。どうやってチームのモチベーションを上げればいいか?
具体的な助言
具体的な助言は、実行可能で明確な行動指針が示されます。アドバイスが具体的で、ステップバイステップで実行できる内容が提供されます。
例
リソースの再配分を行うため、プロジェクトのタスクを細分化し、優先順位の高いものから順に進めるのはどうでしょうか?その場合、チーム全体でタスクの進捗状況を共有するツールを使うと効果的です。
抽象的な助言
抽象的な助言は、全体的な方向性や考え方の枠組みを示すもので、必ずしも具体的な行動指針が含まれないことがあります。
例
チームのモチベーション向上には、まずリーダーとしてのビジョンや価値観を明確に示し、チームメンバーが自身の役割をより深く理解できるように促すことが重要です。信頼感を高め、チーム全体が目標に向かって一致団結する文化を築くことが大切です。
問題と助言の組み合わせ
具体的な問題 × 具体的な助言
明確かつ詳細に定義されている問題について、実行可能で具体的な解決策を助言するケースです。問題解決の手順やアクションがすぐに示されるため、行動に移しやすいことが特徴です。
相談者が抱える問題が、差し迫って解決する必要がある場合に有効です。また、相談者の現状の実力では、抽象的な助言を具体的な解決策に結びつけるのが難しい場合にも適しています。
具体的な問題 × 抽象的な助言
明確かつ詳細に定義されている問題について、抽象的で方向性や理念にフォーカスした助言をするケースです。
相談者が抽象的な助言を元に創意工夫して問題の解決策を導くことができる場合や、相談者が問題を自力で解決する力を伸ばすために助言者があえて具体的な解決策を伝えない場合に有効な選択肢です。この場合、意図的に抽象的な助言をしていることを伝えないと、助言された相手は不十分な助言を与えられたと捉えて不満を持つこともあるかもしれません。
それ以外に、助言をする側が問題を聞いても具体的な助言を出せない場合に、多少なりともヒントになりそうな抽象的な助言をする場合もあるでしょう。
抽象的な問題 × 具体的な助言
漠然とした問題について、明確で具体的な助言をするケースです。
問題を具体的に捉えていない状態で的確な解決策を導けることはないので意図的に選ぶ選択肢としてはおすすめできないものです。まずは問題を掘り下げて明確にしたあとに具体的な助言をするのが好ましい進め方です。
抽象的な問題 × 抽象的な助言
漠然とした問題について、抽象的で方向性や理念にフォーカスした助言をするケースです。
相手が大まかな問題に関して、大まかな助言を欲しい場合であれば、その期待に答えて助言をするのは有効です。一方で、相手は具体的な問題を解決したいが、問題を具体的に伝えるのが苦手なだけで、抽象的に伝えてしまっているのであれば、まずは問題を掘り下げて明確にしたあと、相手に合わせて具体的な助言をするか、抽象的な助言をするか選ぶのが好ましい進め方です。