Trend Vision One Endpoint Security(Server & Workload Protection)をService Gateway経由で利用してみた
こんにちは、シマです。
皆さんはTrend Vision One Endpoint Security(Server & Workload Protection)(以降V1ES)を使っていますか?V1ESは、トレンドマイクロ社が提供するソリューションの1つで、Cloud One Workload Security (以降C1WS) の後継製品であり、クラウド上に存在するサーバ、インスタンスを保護するために必要な機能を提供するクラウド型総合サーバーセキュリティサービスです。
V1ESは通信要件上、V1ESを導入したEC2インスタンスからインターネットへの通信が必要ですが、直接通信させたくないケースもあると思います。今回はService Gateway経由の通信を使って、EC2インスタンスにV1ESを導入する方法についてご紹介します。
V1ESの通信要件について
V1ESでは、V1ESを導入したEC2インスタンスから、TrendMicro社が管理する管理サーバへインターネット経由で通信する必要があります。そのため、プライベートサブネットにあるEC2インスタンスはNAT Gatewayやプロキシサーバ、または今回ご紹介するService Gateway経由でのインターネット接続が必要です。通信要件の詳細については以下TrendMicro社のページをご確認ください。
設定方法
構成
今回の構成は下図の通りです。
V1ESを導入するEC2はPrivate Subnetに配置します。V1ESの動作に必要な通信は、Public Subnetに配置したService Gatewayを経由して行います。
Service Gatewayの設定
以下の記事を参考にService Gatewayを構築します。
今回のService GatewayはPublic Subnetから直接通信させるため、パブリックIPの自動割り当てを有効にしました。
作成したService Gatewayへサービスを追加します。
Trend Vision Oneコンソールで「Workflow and Automation」→「Service Gateway Management」へアクセスし、先程作成したService Gatewayをクリックします。
「サービスを管理」をクリックします。
表示される一覧から「転送プロキシサービス」の右側にあるボタンを押下します。
時間経過でインストール済みサービスに先ほど追加したものが表示され、ステータスが正常になります。
Service GatewayのSecurity Groupの設定を確認します。V1ESのエージェントを導入したEC2から、TCPの8080ポートで通信できるように許可設定をします。今回はVPCのCIDR対して許可設定をしました。
実行時プロキシ設定
Trend Vision Oneコンソールより、「Endpoint Security」→「Endpoint Inventory」をクリックし、右上の歯車から「グローバル設定」をクリックします。
「実行時プロキシ設定」のタブから「Base Policy」に設定されているプロキシ設定に、「すべてのサービスゲートウェイ」が表示されていることを確認します。
もし、複数のService Gatewayが存在し、各環境に応じて利用するService Gatewayが異なるのであれば、ここで設定変更をしますが、今回の環境では不要なため割愛します。
エージェントインストール時の設定
V1ESのエージェントのインストールにはインストーラパッケージを利用する方法と、配信スクリプトを利用する方法がありますが、今回は配信スクリプトを利用する方式を利用する前提とします。
Trend Vision Oneコンソールより、「Endpoint Security」→「Endpoint Inventory」をクリックし、右上の「エージェントインストーラ」をクリックします。
「配信スクリプトを使用したインストール方法」から、保護タイプで「Server & Workload Protection」を選択し、OS等は環境に応じた内容で選択します。「デプロイメント用プロキシ」で作成したService Gateway名を選択します。
後は基本的にはスクリプトを利用した通常のフローと同様に実施します。
スクリプト実行前に、スクリプト内の「PROXY_ADDR_PORT」を修正します。
初期設定だとService Gatewayのデフォルト名のままになっているので、正しい名称に変更します。今回はコメントアウトされているIPアドレスをそのまま指定するように変更します。
# [変更前]
PROXY_ADDR_PORT="localhost.localdomain:8080" ## ProxyAddrPort: 10.0.13.27:8080
# [変更後]
PROXY_ADDR_PORT="10.0.13.27:8080" ## ProxyAddrPort: 10.0.13.27:8080
確認
V1ESの管理画面で、問題なく管理対象になっており、各機能のインストールやタスクの実行に問題がないことを確認しました。
最後に
今回はService Gateway経由の通信で、EC2インスタンスにV1ESを導入する方法をまとめていきました。
本記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。