Amazon QuickSight の一部のビジュアルで Small Multiples オプションが利用可能になりました

Amazon QuickSight の一部のビジュアルで Small Multiples オプションが利用可能になりました

Clock Icon2022.11.19

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いわさです。

QuickSight のアップデートがたくさん来ていますね。
本日の QuickSight のアップデートのひとつで、一部のビジュアルで Small Multiples という機能が使えるようになりました。

Small Multiples を使うと複数のディメンションをもつデータに対して、特定のディメンションを軸としつつ別ディメンションごとにビジュアルを並べることでデータの比較を行うことが出来ます。

使ってみるまでよくわからなかったので使い方などをご紹介します。

ここから設定

本日時点で以下の 3 つで利用が出来ます。

  • 折れ線グラフ
  • 円グラフ
  • 垂直棒グラフ

これ以外はダメで、同じ棒グラフでも水平棒グラフでは利用が出来ません。

利用方法としては簡単で、ディメンションとメジャーを設定している状態で、追加のディメンションをフィールドウェルの Small Multiples へ追加します。

Small Multiples を使わない場合

比較のために Small Multiples を使わない場合の分析から作成しました。
以下はサンプルアカウントの数ヶ月分の AWS 利用料の明細データを可視化したものです。
ここでは円グラフで確認を行います。

まず、以下は対象期間すべての AWS 利用料金をサービス別に集計したグラフです。
色々なサービスを使っていますが、EC2 の利用料金が特に多いようです。
また、あまり意識してなかったですが Config の料金が意外に発生していることがわかります。

さて、ここで年月別に利用料金やサービスごとの割合を比較したい場合は全期間ではなく対象年月でのデータに絞ってグラフを作成する必要があります。
QuickSight であればパラメータとフィルター、コントロールを使うことで以下のようにフィルター機能つきのビジュアルでそれぞれの年月のデータを取得することが出来ます。

以下は 2022 年 6 月のデータです。
この月は Elastic MapReduce を使っています。

確認したところ EMR Serverless が GA されたのでその時に検証を行っています。その利用料金が結構いってるのかもしれませんね。
Amazon EMR Serverless が GA になったので使ってみた | DevelopersIO

以下は 2022 年 5 月のデータです。
この月は...SageMaker !?

確認したところ SageMaker Data Wrangler を以下の記事で検証していました。ただ、全く記憶にありません。 Amazon SageMaker Data Wranglerで複数データのJoin / Concatenateを試してみた | DevelopersIO

こうやって見てみると検証のために利用していることが主なのと、使ったことないサービスもアップデート来たらとりあえずやってみるスタンスなので、期間ごとにばらつきがあることがわかりました。
なかなかおもしろいですが、比較するためには年月ごとのフィルターを行う必要があります。
そして一度に確認できる年月はひとつです。

これを解決するためにはビジュアルを複製し、静的な年月でフィルタリングしたグラフを並べることです。
そうすると以下のように比較しやすくなります。

ただし、複製とフィルタリングの設定が面倒です。
対象年月が増えると少し厳しい。

Small Multiples を使う

Small Multiples を使うと、特定のディメンション意外は同じ設定のグラフを並べて比較しやすくなります。
ここでフィールドウェルの Small Multiples へ対象年月フィールドを設定してみましょう。

ああ、これは良いですね。
年月ごとに比較しやすくなりました。

また、自動でインサイトが取得できるようになり、利用料金上位の対象年月がすぐにわかるようになりました。

結構使ってるな...。

フィルターはできる

本日時点で Small Multiples に特化したプロパティなどは特になかったので、有効化したときにどのように見せるのかなどについて柔軟はカスタマイズは出来ないシーンが多いかもしれません。
ただし、フィルターについては Small Multiples に設定したディメンションも対象にすることが出来たので、設定することが出来ました。
デフォルトでは最大 20 件比較用に並べられますが件数の調整をしてみましょう。

以下では先程とディメンションを入れ替えており、サービスごとに年月ごとの利用費割合を算出したグラフです。
この場合は Small Multiples に設定したディメンションの値の数が多く 20 件以上存在します。

サービスごとの合計金額の上位5件のサービスのみでフィルターを作成すると以下のようになります。

良いですね。
ただし、並び順についてはこの場合はサービス名の昇順か降順になっています。

さいごに

本日は Amazon QuickSight の一部のビジュアルで Small Multiples オプションが利用可能になったので使ってみました。

初めて Small Multiples というものを使いましたが、これは便利ですね。
もう少しコントロールできると嬉しいですがまずはこのオプションを使ってみて、もう少し細かいコントロールが必要であればビジュアルを複製して並べる方針が良いでしょうか。
現在は Small Multiples が使えるのがまだ 3 種類ですが今後増えていってほしいですね。

ちなみに、今日この記事を書いていてみなさんの AWS 利用料金のサービス割合はどのような感じなのか気になりました。

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